作品 「土と炎と神様と」 台本全文 佐藤 均
2009-04-27

作品「土と炎と神様と」全文  佐藤 均



字幕・茨城県龍ヶ崎氏泉町
字幕・陶芸家 峰 新山さん(小野田 峰雄)
ナレーション・悪戦苦闘の末、一年半かけて穴窯は完成し、いずみ窯と名づけられた。
穴窯とは、焚き口から煙突迄仕切りが無く、炎の流れが作品にはっきりと現れるが内部の温度むらが激しく、大変扱いにくい窯だと云われている。
だが、作品の表情や多彩で豊かな景色の現れは、この窯の困難をコントロール出来たときのみ味わえる醍醐味らしい。
字幕・穴窯断面図 色見穴 煙突 煙道 捨て間 焼成室 ロストル
字幕・字幕・窯出し
ナレーション・現在この窯は、沢山の仲間達に支えられて運営されている。
私は次々と窯だしされるレベルの高い作品に驚いた。 
字幕・いずみ窯 会員作品
会話・「土で表情が変わるね」
「土を生かさないといけない」
「だから私は、ミックスと云うのは、あんまり好きじゃない」
 字幕・「ミックス」(産地の違う土を混ぜて使う)
会話・「粘土が持つ特性をいかしたい、それを、いろんな産地をミックスしたら粘土に失礼だよね。
俺はそそういう気持ち」
「だから単品で必ず使う」
「良いじゃない此れ。良いよ」
「そしたら、仮にこうなったら、ここに盛るお菓子だとか果物が、しんじゃう」
「仮にね、こういう感じだと花が死んじゃう、これに負けちゃう。
だから此れはもう、花は生けられない、ここ迄いっちゃうと、あんまり色が鮮やかすぎると、草花の方が、この色に対して負けちゃう。
だから此れは花は、生けられないから置物」
「だから、こうゆうのに花を生けると、凄く花が生き生きしちゃう。
何故かというと、こっちがもの凄く自然だから」
   

字幕・作陶会
ナレーション・この会は、家族会員制度と聞き、早速、妻を誘い私も仲間に入れていただいた。
これは、私のいずみ窯一年間の体験レポートである。
字幕・ビデオ制作・佐藤 均   

字幕・いずみ窯スタッフ・景山 素子さん
会話・「一輪挿しの予定です」

「なかなか・・・」
「やきものは、窯詰めで八割は決まっちゃう」
字幕・窯詰め三日目  
会話・「それは、粘土ですか?」
「これは、道具土(童仙坊)と云って、焼いても焼き締まらない土なんです。
だから、焼けてもくっつかないでボロっと取れる」
「炎の回りを考えて、置いているのですか?」
「そうですね。口の広いものは、あんまり下だと中に灰が入りすぎて汚くなるので、上の棚板ぎりぎりで、あまり中には灰が入らないようにする」
「真ん中は、ここと奥に大きいのがあるので、ここを塞いじゃうと、景色が出なくなるので少し開けてある」

字幕・「景色」(やきものの表面に現れる風情や雰囲気)
ナレーション・「穴窯では、素焼きも上薬を掛ける事もしない。
作者の名前と粘土の種類が書かれている」 
会話・「奥に、緋色を入れようか」 
字幕・「緋色」(穴窯用粘土)
ナレーション・「粘土の性質を考えながら、窯詰めしていくのである」
「さて、焼成中の穴窯の中で、何が起きるのか。
焚き上げる薪の灰が降り掛かり、それが融けて自然の上薬となり、更に粘土の中に含まれている長石が溶け出し、薄いガラス質となり表面を覆う」
 字幕・窯詰め終了まで四日間を要した
「神様は、ちゃんとわかっている、一生懸命創った物は絶対焼けてくる。
どうでもよく創った物は絶対に良く焼けて無い。
これは、今迄の経験。
だから初めて習いにきた人が一生懸命、気持ちを込めて創った物は、絶対よく焼いてくれる。神様がネ」
「やきものは神様の世界よ」
字幕・午前九時半 火入れ  
字幕・あぶり 素地の水分と、窯の湿気を抜く
字幕・火入れから九時間四十五分後  
字幕・煙突に触れ温度を確かめる
「薪ツコンで良いよ」
「湿気が抜けたから」
「ずーとバタ材で」
字幕・バタ材(燃えやすい薄い板)
  字幕・本焚き開始
ナレーション・十五分間隔で、六日間燃やし続ける。
字幕・午前三時最初の温度チェック 
会話・「もっと、あっちじゃない」  
「あった!あった!」
「そんなととこだ」
字幕・ゼーゲルコーン(温度マーカー)
字幕・1000度のコーンが、まだ融けない  
字幕・二日目の早朝1000度に達した
字幕・1300度で燃やし続ける  
会話「綺麗な花」
「花オクラって云うの、花を食べるの 実は食べられない、(花を指差して)これを食べるの」
「初めて聞いた」
「朝のうちに獲っておかないと、しぼんじゃってね」
字幕・朝8時、交代メンバー集合  
字幕・引き継ぎ打ち合わせ 
会話「足りなかったら、次いっぱい入れれば良い」
字幕・花オクラ
字幕・火入れから5日目の深夜
  会話・「灰を掛けれます」
「いっぱい入れて良いです」
「薪を焼べるでしう、その薪の灰が解けないと、すごく汚い。
そこがポイントに成っちゃう。

火止め。
もの凄く高温にして行って、ピタッと閉めたときは凄く綺麗な色が出る。
灰がみんな融けるから」 
字幕・火入れから6日目の朝、8時45分火止め開始
会話・「景山さん閉めた」
「私は閉めました、武石さんは?」
「OK」
「閉めるよ、閉めますよ」
「閉めた。大丈夫、どこか吹き出している所はない?」
字幕・冷まし  約二週間かけて、ゆっくりと冷ます
字幕・窯だしの朝
会話・「わ~、凄く流れてる」
「良いですか?」
「良いね、此れは良いわ」
「凄いわ」
「凄い」
「わ~何だ前の凄いの」
 「奥まで焼けてるね」
「これ良い」

字幕・窯だし
会話・「わ~凄い」
「凄い、凄い~」
字幕・「私の最初の作品」
会話・「あ~本当に」
「初めての作品」
「そう、凄いじゃない」
「あ~面白い」
「月に波」
「土と焼きが合致したのは、これ金子さんかな。
土と形と火の回り、総て良かったのはこの作品、これが今回の最高」
「ベストワン賞」
「窯詰めで、今回一番難しかったのは、これ。どういう表現で焼くか一番参ったの。火色をここに持ってこようと思って焼いたら、此れが良かった」
「手びねりのあじも良いし、高台も凄く良いよ」
「(サインが)単にAではなくて、 Aて誰かなと思ったら阿部さんだった」
「ABCは駄目だよね、神様にこうお願いしているから、キリスト教じゃ無いから」

字幕・制作  佐藤 均